DIATONE DA-A100 (1973年製)
https://audio-heritage.jp/DIATONE/amp/da-a100.html
数あるオーディオメーカーのなかでDIATONEが好みなんでこのアンプが欲しかったんです。
オーディオ全盛期時代に製造されたダイアトーンハイエンドクラスのパワーアンプ。
このパワーアンプとセットになっているDA-P100というプリアンプもあるんですが、うちにはそれよりも上等なプリアンプが揃ってるんで欲しいのはこいつだけ。
大卒の初任給62,000円だった時代に250,000円で発売されたDIATONE最高峰のパワーアンプ。
ヤフオクに程度の良さげな整備品が格安なのに数ヶ月間、誰も落札しないから数度にわたって値段も下がっているにもかかわらずポツーンとした感じで残ってるんです。
同い年なんですよ。
もう俺んとこに来いよと落札。
出品者の方はオーディオ機器を扱う専門業者のようで丁寧に梱包された段ボール箱が届きます。
段ボール箱から取り出したアンプにケーブルを繋いでどんな音なんかな〜〜〜とワクワクしながらスイッチオン。
少し音が出たと思ったらすぐ切れてしまいます。
何度か試しているとアンプからカチカチカチと異音が出ていることに気が付きました。
そこからさらに数回電源を入れ直しているとカチカチという音すらしなくなります。
「えー!せっかく届いたばかりやのに修理なん。もともといいアンプやし修理代も高くつきそうやん。えー、どうしよー。」と出品者の方に電話してみる。
「初期不良ですのでいったんお預かりして、必要であれば修理に出します。」とのことで送り返しました。
数日して「ヒューズが切れてしまっていて修理が必要ですのでプロの方に修理してもらいますから。初期不良なので修理代はこちらで持ちますし、お時間いただきますが宜しいですか?」とのことで修理してもらうことに。
それから1ヶ月半、届きました。
首を長ーくして待っておりました。
リレーとヒューズ、トランジスタまで交換したそうです。
こんどは大丈夫かな〜とドキドキしながらケーブルを繋ぎなおしてスイッチオーン!
簡素で機能だけを追求してきた工場のような出立ち。
無骨で厳(いか)つい見た目とは裏腹に繊細でふわりと柔らかく絹ごししたようななめらかさと濃厚な音質。
大きな茄子型の真空管アンプにも似た温かさ。
DIATONE DS-1000ZX、DS-A3に繋いでみると、ここまでDIATONEスピーカーのポテンシャルが引き出されるものなのかと圧巻の性能です。
文字通りDIATONEの、DIATONEによる、DIATONEのためのアンプ。
スッと消えるキレのある低音域、クリアに透き通る高音域。
音の旨みでもある中音域はコクがあるといえばいいんでしょうか、中深煎りのコーヒー豆を細めに挽いて85℃くらいのお湯でネルドリップしたようなような味わい。
爽やかでありながらパンチのあるアタック感でグッと前に出てきます。
それでいてボーカルの声や楽器の音が消えるときの余韻が素晴らしい。
とにかく音が新鮮でイキイキとしています。
中高生のときによく聴いていたRoxetteをファーストアルバムから順に聴いています。
今まで幾度となく聴いてきたどの楽曲もカッコいい。
上質です。
パワーアンプ一つ入れ替えるだけでもこれほど変わるんですね。
トーンコントロールも必要としません。
いいものはいいですね。
ここまでくると凄い。
施術を行いながら極上の時間となってしまいます◎