松のを治療院

日々の気づきやお知らせを記していきたいと思います。

指圧師です。京都府亀岡市篠町にて施術しています。 ◎問い合わせ、相談はメールにて。 enkan567@gmail.com 

無条件の全肯定

ありがとう。

この短い一言、言っているように思えていても意外と言えてないものです。

仕事柄、患者さんの人生をお聞きすることがよくあります。
50~70歳代の結婚されている女性に多いのが、旦那さんに対して「旅行に連れてってもいらん、美味しいご飯もいらん、プレゼントもいらん。「いつもすまんな。」の一言だけでええのに。」

こんなことを同年代の男性にしてみると、「ん~~、わかっとるんやがな~。心で思ってても言えんわ~~。」

また女性の患者さんたちに男性はやっぱりこう思ってるんですよね~、なんて話をしているとある患者さんから言われました。
「先生は奥さんにありがとうと感謝の言葉をかけてはるんですか?」

が~~~ん!!
実は言ってなかったんですよ。

目上の方たちには偉そうに「ありがとう」くらいは言った方がいいですよ~なんて言っておいて私自身は言ってなかったんです。
晩御飯の用意をしている嫁さんを前に、はやく言わなきゃと思うとドキドキしてきてなかなか言えない。
もう年甲斐もなく告白する時のようなドキドキ感。

意を決して言いました。
「なぁ、、、いつもありがとな。」

そしたら嫁さん、間髪いれずに怖い顔して言いました。
「何たくらんでんの!」

いや~〜〜、ショックでしたね。
嫁さんにはちゃんとしているつもりでしたが、自分で気付いていない言動がたくさんあったんだと反省しました。
それと言ってみると気持ちいいんですよね、心の中で思っていることを素直に口に出してみると。

でもね、邪魔するんですよ、今までのことが。
あいつはこんなことをしでかしてくれたとか、こうして欲しかったのにしてくれなかったとか条件付けしてしまって。

ある患者さんを往診している時にお茶の話になったんです。
友人が茶道を習い始めたとか、最近になって茶室を手掛けている人を診るようになったとか私が習っているわけじゃないんだけどそういう人が増えてきたって。

そしたらその患者さんは20年ほどお茶を習っていたそうで「お手前してあげよか?」という話になって、次の往診した時にお茶のお手前をいただきました。

いつも布団を用意してもらって治療しているその部屋がいつもと雰囲気が違うんです。

お盆を二つ用意して、その上には茶碗と抹茶と耳かきみたいな道具とシャカシャカする道具にお湯の入ったポット。
そして思っていたよりも長く感じたシャカシャカの後、カプチーノよりも泡立ったそのお茶の美味いこと美味いこと。
そしてなんともいえない心地よさというか至福感。

その日の仕事を終えてそれがなんだったのかなと感じてみてわかったことは、私の存在全てを全肯定してもらったような心地よさだったんですね。

あぁ、もてなすというのはこういうことだったのかと。
私自身の仕事でも大切なことです。

その人の無条件の全肯定。

人って誰もが自分のことを認知して肯定してほしいと思っています。
まずは自分自身が生きていることを肯定してみましょう。
そして自分のことと同じだけ他人のことも肯定してみましょう。

大切だと思っている人にこころを込めて、たった一言でいいんですよ。

ありがとう。


虹は陰と陽、水と火の架け橋です。